ベスという名のチェサピーク・ベイ・レトリーバー

敷き詰めたような落ち葉と




広がるように伸びた枝に残る黄色い葉が
秋の夕日に照らされて何ともロマンチック。
ベスのブラウンのコートもまた、秋の色を
装おうようにシャレた雰囲気を醸し出す。

と、晩秋のロマンチックな気分に浸る私に
全くおかまいなく、




突然ベンチを激しくチェックし出すベス。




おっさんみたいな体勢と顔付きで
ベンチの裏側まで執拗に匂いを拾う。

おかげさまで




晩秋のロマンチック気分

・・・消滅。

ベスの普段の食餌はドライフード。
お腹がデリケートなベスに合うフードを探し求め、
あれこれと手を出してフードジプシーとなった末に
やっと出会えた国内産の受注生産ドライフードだ。




しかしできるならば、おいしい手作りごはんで
食いしん坊のベスの満足度＆免疫力をアップさせ
たいと思い、週１回のペースでトライしてみる事に。

まずは手作りご飯の基礎知識が必要とばかりに
意気込みと鼻息荒く、数か月をかけて栄養バランス
やらアレルギーやら食材やら給餌量やらを勉強＆検討。

そして、ついに実現したベスごはんがコレ。




１．肉（今回は馬肉使用）を少量のオリーブオイルで
　　軽く炒める。




２．シリアルミックスと水を加えて炒め煮にする。




３．冷ましてからアマニ油を回しかけて完成。

と、まるでインスタント食品並みにお手軽・簡単。

しかも、




食材を購入したお店のレシピそのまま、何の工夫もナシ。

いったい、




数か月をかけて勉強した成果は

・・・どこに？

夫の誕生日祝いも兼ねての伊豆旅行、
コジャレたディナーで乾杯はしたものの
主役はもちろん夫ではなく、ベス様だ。




沖に浮かぶブイを見つければ、一直線に
泳いでいって回収しようと執着し




岩場の洞窟を見つければ、先が見えない
暗がりを躊躇もせずに探検しまくる。




とにかく冒険野郎なベス オン ザ ビーチ
ではあるが




青い海と空を背景に、ベージュにきらめく
砂浜を活き活きと走りまわるベスの姿は、




【チェサピーク湾のレトリーバー】
というその名の通り




自然の風景に溶け込んで




海がよく似合う。

それにひきかえ




ローズガーデンが素敵なバガテル公園の
欧風の建物や




美しいバラの前に佇んでみたところで、
てんで似合わない。

もちろん




似合わないのは

・・・ジャージ姿の飼い主も同じだけれど。

ボール遊びは好きだけれど、気分がのらない時は
あからさまに楽しくなさそうな態度をとるベス。

先日の朝散歩の際も、投げたボールを拾いには行く
ものの、後はダラダラ寄り道したりしてレトリーブ
を勝手に中断する盛り下がりぶり。主導権を握って
いる（筈の）飼い主としては大いに面白くない状況。




なので、いつもと違う事をしてちょっと刺激を与えて
やろうと、ボールを投げた直後にクルリと踵を返して
逆方向にゆっくり歩いてみた。

“ボールをキャッチして振り向くと、自分を見ている
はずの飼い主が背中を向けてどんどん離れていく”
という、ベス的にはあり得ないシチュエーションだ。




「きっと、大慌てですっ飛んで来るに違いない」と
ほくそ笑む私の予想通り、本当にすっ飛んで来たベス。

ところがそのあと、




そのまま背後から「ズボッ！」と私の足の間に頭を
突っ込むという予想外の展開。しかも、レトリーブ
したボールを銜えたまま足の間から私を見上げるこの
いたずらっぽい顔は、紛れもなく確信犯。

「いつもと違う事をして刺激を与えよう」という
私の思惑は、そっくりそのまま、きっちりとお返し
されたわけである。




この勝負

・・・私の負け？